F1の中国GPが開催されるサーキット

上海インターナショナルサーキット

「上海インターナショナルサーキット」は、上海の最北部に位置する嘉定区にあるF1の中国GPが開催されるサーキットです。ドイツ人建築家のヘルマン・ティルケによって設計され、2004年6月に完成し、同年9月に初めてF1中国GPを開催しました。収容人数は、20万人の規模を誇ります。コースの全長は5.451mでコーナーの数は16、時計回りに56周して争います。元々は沼地だった場所に建設されたため、開業後の数年間は地盤沈下や排水能力などの問題が指摘されていました。2005年のF1中国GPでは、10コーナーの排水溝の蓋が外れ、マクラーレンのファン・パブロ・モントーヤのマシンがそれを踏んでリタイアするというアクシデントも起きています。しかし、継続的に改修工事が行われており、当初2010年までの7年間の開催だったF1中国GPは、その後2度開催権を延長することが承認され、2020年まで延長されています。また、年々ドライバーからの評価も上がってきています。

コースの形が漢字の「上」に見える

「上海インターナショナルサーキット」を上から見ると、コースの全景が漢字の「上」のように見えます。上海の「上」の字をモチーフにしたのではといわれていますが、設計したティルケによると、それは意図したものではなく偶然の産物で、デザインを終えて中国の人に見せたところ、上海の「上」の字に形が似ていたためとても喜ばれたそうです。またティルケは、1コーナーから2コーナーと、12コーナーから13コーナーのレイアウトについて、中国古来の陰陽思想を表現したとも述べています。

ポイントは1.2kmの超ロングストレート

このコースは、全長約1.2kmにもなる超ロングストレートを有しています。13コーナーから14コーナーにかけてのコース最長のストレートが、最大のオーバーテイクポイントでもあります。13コーナーの立ち上がりをミスすれば簡単にオーバーテイクを許してしまうため、直前の11コーナーから始まる複合カーブをいかに減速せずに通過できるか、そして13コーナーの立ち上がりを上手くこなせるかが勝敗を分けるポイントとなります。また、ロングストレートだけでなく様々な種類のコーナーの組み合わせで構成されているのも大きな特徴で、非常にテクニカルなコースレイアウトは難易度が高く、多くのドライバーをスピンさせてしまいます。

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